2017年10月20日

「トムリン」逝去のお知らせ

本日10月20日午前11時45分
トムリンが、
持病であった腎臓病悪化のため亡くなりました。
今まで皆さんにかわいがっていただき、
本当にありがとうございました。

かねてから治療中ではありましたが、
先週から調子を崩し、
金曜日に通院、月曜日に再度検査、入院。
水曜日からはスクールに戻っていました。
2日間スタッフも夜遅くまで見守りましたが
ついに力尽きてしまいました。
13才9カ月でした。



△△△△△△△△△△△△

その時間は、通院帰りで僕の車に乗っていましたが、
ずっと助手席でおとなしく座っていたのに
急によろよろと運転席の後ろ側の床に降りました。

しばらく横になっていましたが、
撫でていると、大きな息を2回して、終わりました。
苦しかったかどうかはわかりませんが、
ずっと頑張っていたのだと思います。
そして、自分の死ぬ姿を見られたくないため、
僕の後ろに行ったのだと思いました。

僕の車に乗っていること自体は好きだったので、
最期の場所としては良かったのかなと思います。



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トムリンは、スクールが始まった年の秋頃、
さっさが、捨てられて怪我をしているところを見つけ
スクールに連れてきました。
医者で治療してもらい、
そのままスクールで暮らすようになりました。
その当時は、まだ生後8か月くらいの子猫でした。

当時はまだ子どもですから今より活発でしたが、
その頃からとてもおとなしい猫でした。
しかもとてもマイペースでのろまでした。



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以前、スクールから逃げ出して
朝帰りになったことが2度ほどありましたが、
その度にお尻をかまれて帰ってきました

その理由がわかったのは数年前のことです。

自分の家に連れてきて、
かつていもねこの看板猫候補だった「うみちゃん」と
ご対面させようとしたところ、うみちゃんが
「シャー!」と
歯をむき出しにして威嚇しているのに、
トムリンは「ん?何??」というように
首をかしげながら顔を近づけてゆくのです。

「危ない!」と思ってトムリンを救い上げた瞬間
うみちゃんが飛びかかってきました。
トムリンは階段を転げるように駆け降りて無事でしたが、
他の猫に対しても、相手が怒っているのに
首をかしげて近づいていくのでしょう。

おそらくトムリンには
「怒る」という感覚がないのです。
実際、トムリンが生きている間、
怒ったり相手を威嚇したりする姿を見ることは
一度もありませんでした。



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ゆうみちゃんがこう言いました。
「トムリンが政治家だったら、
北朝鮮とも上手くやれたのにね」と。
僕もそう思います。

ネットで勇ましいことを書いている人たちには
「そんな考えはお花畑だ」
「そんなの理想論だ」
などと馬鹿にされるかもしれませんが、
「怒りの感情を抑えること」
「ケンカを売らないこと、買わないこと、しないこと」
「争いからは逃げること」
というのは、非常に現実的なリスクマネジメントです。

「動物とは違う」と鼻で笑う人もいるかもしれません。
しかし私たちも「動物」です。
そして、自分が食物連鎖とは関係のないレベルであっても
「殺す」という行為に及んでしまうという
動物よりも野蛮な「動物」です。

だからこそ、こうした人間の小ささを認識したうえで
力ではない知性を持った人間ならではの
「対話」という方法で
「ケンカ」「暴力」「争い」「戦争」を
避けるべきであり
いつもそれを教えてくれたのがトムリンでした。

「怒り」「暴力」からは何も生まれない。
「愛」こそが本当の力となる。



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そういう「平和な」トムリンだからこそ
スクールに来た本当にたくさんの子どもたちが
心を癒し、支えられたのだと思います。

学校で傷つき、自信を無くしてしまい
やっとのことでドリフにたどり着いたたくさんの子らが
「トムリンがいるから」
「トムリンに会いたいから」
と言って、また来たり、通うようになりました。

きっとトムリンには、みんなの悩みや苦しみや負の力を
吸い取ってくれる力があったのだと思っています。

もしかすると、
それがトムリンの中にストレスや疲れとして
溜まってしまったのかもしれませんが、
それがトムリンがうちらと出会った意味であり
生きた証でもあるのだと思います。



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今改めて思い返せば、
トムリンがスクールに来た時から
さっさ、僕にとってトムリンは「同志」「仲間」
いや、それ以上の存在でしした。
僕たちをも支えてくれました。

さっさにも僕にもできない役割を、
トムリンは果たしてくれました。

トムリンに支えられた子らは育ってゆき、
今ではスタッフになったり、いもねこで働いたり、
自分の歩幅で歩いてくれています。
トムリンがいなかったら、
今のみんなもいなかったかもしれません。

トムリンがいなかったら、
今のドリームフィールドもなかったでしょう。
トムリンがいなかったら、
いもねこも始めていなかったでしょう。
トムリンがいなかったら、
皆さんに愛されるお店になっていなかったでしょう。

トムリンは私たちみんなにとって
かけがえのない存在だったのです。



△△△△△△△△△△△△

今となっては、
「もっと一緒の時間を大事にすればよかった」
「もっとこうしていればよかった」などという
悔恨が頭の中をぐるぐると廻っています。
夜中も一緒にいたので、これから寂しくなります。

でも、
トムリンが力尽きるまでの数日間で
幾度となく「ありがとう」を言うことができました。
心の準備もできました。

タイミングが合って、亡くなる前に
トムリンに会うことのできたスタッフのみんなや
スクールのみんなも同じだと思います。

最期の最期まで、トムリンは頑張ってくれました。



△△△△△△△△△△△△

命は繋がってゆきます。
想いは伝わってゆきます。
それを信じています。
寂しいけれど、決して別れではないと思っています。

トムリンから与えられた力を周囲の人へとシェアできるように
トムリンから学んだものを少しずつでも形にしてゆけるように
踏ん張ってゆきます。

改めて、これまでトムリンを愛していただいたこと
心からお礼申し上げます。
ありがとうございました。


  


Posted by さっさ at 20:22Comments(0)
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フリースクール、ドリーム・フィールドのスタッフです~  得意なことは天然トークと忘れ物です(笑)  キーボードとコーラス、フルートも吹きます。  オーボエを吹いた時代もあるなあ~  浜松学芸高校を中退してスクールで働き始めて5年目、通信高校の?年生だよ!  よろしくね!
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