教育が変わるかもしれない第一歩 ③
民間施設からの発言
リベラヒューマンサポートの三好さんの最初の一言。
「みなさん、子どもたちのフリースクールへの出席が
学校への出席にカウントできるということが、
とても素晴らしいことのように仰っていましたが、
子どもたちにとっては
恩恵を被るようなこと何もないんですよね」と。
その通りなんです!!
「フリースクールへ通えば学校への出席扱いになる」
というのがとても素晴らしい配慮のように言われたり、
以前は、学校の先生の中にも
うちらに対して「出席扱いにしてあげるよ」みたいな
偉そうな態度を示す先生もいましたが、
出席日数って、たいしたことではないんです。
なぜなら、実際の内申書には、
例えば
『出席日数0(フリースクールへの登校60日)』
のように、学校は欠席しているという記載になります。
つまり「不登校」であることに変わりはなく、
学校は欠席という記載が必ずあるのです。
さらに高校進学の際、高校側は事前に
その子が不登校生であるという情報を持っているし
それを承知の上で受け入れることを前提として
内申書を見るわけですから、
出席日数とかフリースクールに通って出席扱いとかって
合否に関係するようなほどのことではないのです。
高校側が評価するのは、
これから高校に入学してから続けていけるのか?
というところなのです。
中学の先生の中には
「高校進学するなら、出席日数を増やさないと!」
とプレッシャーをかける人もいまだにいます。
学校がしんどくて不登校になっているのに
そんなプレッシャーをかけられても
本人は苦しいだけです。
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「保健室登校」とか「別室登校」によって
出席日数を増やすよう指導される子もたくさんいます。
もちろん中には、
教室での生活に戻ってゆく子もいるかもしれません。
しかし正直、無理して学校に行き
誰もいない保健室や別室に通うことに
どれほどの意味があるのか
疑問を抱いている子や保護者も少なくありません。
しかも学校への登校や遠足や修学旅行などに関して
先生方が「親と同伴」を求めるケースなど
さらに意味不明です。
先生方が、子どもたちや保護者の皆さんに
どういうビジョンを持ってそうさせているのか、
全く意味が分かりません。
求めているものは、
「不登校生徒数を減らす」という形なのか?
「学校で不登校対策をした」という“実績”なのか?
大切なことは、
出席扱いや出席日数などという数や形ではなく、
子どもたちの一日一日が
本人たちにとっていかに意味のあるものとなるか?
ですよね。。。
出席していた学校関係者からは
「出席日数にこだわるのはむしろ保護者かも」
という意見も 笑
いやいや、先生方も保護者に
そういう意識を持たせていますよ! 笑
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また、三好さんは
「『教育機会確保法』には、
学校の先生は不登校生やその保護者に対して
学校以外の育ちの場を積極的に紹介しなさいと
書かれているけれど、うちに来る子たちの中で
学校から紹介されたという子は一人もいません。」と
そうそう。
うちも今までの20年で、
「学校から紹介されて来ました」なんていう子
ほとんどいませんでした。
中学校の先生をやっていた僕の同級生が
クラスの子を紹介して連れてきたくらいかな?
フリースクールにたどり着くのは
自分たちで探して
医者に紹介されて
福祉関係者に紹介されて
僕の教え子とか、スクール関係者に紹介されて
それくらいです。
おそらくリベラさんも同じだと思いますが、
積極的に宣伝をしたり、募集をしたりってことを
以前からずっとしてきていません。
子どもたちが多くなりすぎて
対応できなくなってしまうのを避けたいからです。
とは言え、
不登校を経験したのちすでに成人し
現在でも精神疾患や生きづらさを抱えている
外部の方たちから
「もっと若い不登校だった学生の頃に
ドリーム・フィールドを知っていたらよかった」
という言葉を聞くと、
何とも言えない気持ちになります。
教育支援センターの方は
「うちは学校の紹介でたくさんの子たちが来ます」
と発言していらっしゃったけれど、
そりゃそうです。身内なのですから。
前述したように浜松でも
某医療機関による別名称のNPOが
「適応指導教室」の運営を市から受託し
「校外まなびの教室」という名称に変え
市内各所で、それぞれ何とか教室という名で
開設、運営しています。
とは言え、
「学校に適応できるように指導する教室」
という本質には変わりないし、
退職した学校の先生の再就職先でもあり、
「社会的自立や学校復帰を目指していくことを目標」
と掲げていることからもわかるように、
浜松市が委託したいわば小中学校の身内です。
ですから、教育支援センターと同じように
学校の先生は
身内の紹介だけはしやすいのです。
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「学校外の場所を紹介するのは
保護者や子どもたちが
排除された印象を受けないか心配になる」
と仰る出席者もいました。
確かに、保護者や子どもたちの中には
そう捉えてしまう方もいらっしゃるかも。
でもこの点についても後で僕から指摘しました。
「そもそもなぜそういう印象を持つのか
考えてみてください。」
「私たち教育関係者を含めた多くの人たちに
『学校ありきであり、学校が主である』
という意識があるからではないでしょうか?」
以前からしばしば感じてきたことですが、
学校の先生方の多くに
「フリースクールは
学校に来られない子の受け皿」
そして時には
「学校の下請け」
と捉えているかのような先生もいました。
わたしたちは以前から
「学校復帰を目指す」とか
「学校に戻ってはいけない」
なんて考えたことはありません。
もちろん
スクールに通って元気になった子が
再び学校に行きたいと言い出せば
「また傷つかないか心配」と考えますし
実際にまたスクールに戻る子がほとんどですが、
子どもたちの選択を妨げたりはしません。
なぜなら、
「フリースクールも学校も対等なもの」
「どちらも同じように子どもたちの選択肢」
そう考えているからです。
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学校は、同じ年齢の子が横並びに揃っている環境。
社会は、異年齢の人たちが縦横繋がっている環境。
だから
「学校に行けなかったら社会にも出られない」
なんて考える人少なくありませんが、
実は、学校って社会とは全く違った
特殊な環境なんですよね。
自分もそうでしたが、学校の先生って
小中高そして大学、さらに学校に勤め始めて
ずーっと学校と言う環境の中で
生きてきている人たちなんです。
だから、学校が誰にとっても素晴らしい場所だと
勘違いしてしまう先生が多いんですよね。
大人たちの多くもそう。
時には親も、そう信じ込んで、
学校に行くのが辛い子どもたちを追い込んでしまう。
このように人生の中で埋め込まれた
「学校ありき」の意識があるから、
「学校に行くのが当たり前」
「学校に行かなければダメ」
「学校に行けない子はかわいそう」
「フリースクールは学校に行けない子のため」
といった固定観念を持ってしまうんです。。。
「学校以外の場所を紹介するのは憚られる」
という気持ちの根底にあるのも同じ。
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だからこそ、
大人たちも先生も保護者も子どもたちも
今回のこの事業によって、
「子どもたちにとって大切な育ちの場は
学校だけではない。」
「子どもたちにとって大切な育ちの場所は
学校以外にもたくさんある。」
といった価値観へと
アップデートできることを目指さなければ。
それが「教育機会確保法」の精神なのですから。
あ~ 終わらなかった 笑
続きます!!