【子ども育ちレスキューネットシンポジウム報告】 ②
講演②
「自立するためのきっかけをつくろう」~地域の支援に繋がろう
NPO法人青少年就労支援支援ネットワーク静岡
事務局長 池田佳寿子さん
・働きたいけど働けない皆さんに、
市民ネットワークによる伴走型の就労支援を提供し、
働く喜びを分かち合える相互扶助の社会を目指している。
コロナ禍で、失業する人、仕事がなくなる人が増えている。
・IPS(Individual Placement and Support)就労支援プログラムの
「クライアントの好みを重視する。
サービスの提供は、プロバイダーの判断ではなく
クライアントの好みと選択に基づいている」ことと
本人の信頼を原則とする。
・「静岡方式」が、地域を大切にしている理由。
①「困っている人」ほど自ら働くことが困難で、
相談窓口に赴くことが難しい。
そのため、地域の民生委員や自治会の方など
地域のつながりを通して出会う人たちが
行政の制度や市場からこぼれる人々を受け止める。
②互助の原理で再組織化して生活しやすくなる。
隙間に陥った人を、制度で埋めるのではなく地域で支えている。
県内に16000人超のボランティア、
西部地区は約530名がいる。
地域若者サポートステーション事業、
学習支援・生活支援事業、
引きこもり支援事業等も行っている。
・「自立」とは何か?
社会的養護を受けた方の答えは、
「情報が取れる」
「選択肢がある」
「喜怒哀楽が出せる」など。
・私たちは人を支えない、支えを外してしまえば落ちてしまう。
本人の人生はあくまで、本人のもの。
本人の人生を送るものを「応援する」応援団でありたい。
・ウィークタイズ(弱い紐帯)の強み。
ごちゃ混ぜであるということは、
支えるとき・支えられるとき
支える側・支えられる側
状況によって変わってくる。
つまり誰もが誰もを応援可能。
・好きなこと、好きなもの、好きなひと
「ストレングス」とは、縁を増やし運に出会うこと。
運を縁に変えて、繋がろう。
・みんなが心がけること
1)過去でなく、未来を見る、問題でなく強みをみる。
2)自分が変わる(他人を変えようとしない)
変わるために人から助けてもらう。
3)小さな変化を起こす。変化に気づく。日常を大切にする。
・応援する人ができること
1)焦らない。無理しない。
無理をすると本人を責めたくなる。
2)話すこと、仲間を作る。
・本人ができること
1)「自分ほめ」上手になる
2)嫌な経験も失敗も大切
3)自分に得な考えをする
4)自分にない考えや選択肢を手に入れる
5)身近な人から、どんどん話してみる
6)素直になる、騙され得意になる。
・母子面接で母親がイライラしていることが多い。
「自分が何とかしなくては」と思ってしまう。
母親が楽しそうだと、本人も気づき話せる雰囲気になる。
・困ったときに「大丈夫だよ」と言い合える地域に。
NPO法人青少年就労支援支援ネットワーク静岡
https://www.sssns.org/