2013年08月30日

秋山豊寛さん(日本最初の宇宙飛行士兼ジャーナリスト)の証言

《またまた長くてスイマセン!!》

秋山豊寛さん(日本最初の宇宙飛行士兼ジャーナリスト)の証言
原発事故とマスメディアの報道

秋山さんは、1990年にTBS職員としての在勤中に
当時のソ連のソユーズ宇宙船で日本人初の宇宙飛行士として
宇宙に飛び立ったジャーナリストです。
彼は、その後TBSを退職し、
福島県で農業を営んでいましたが、
2011年3月11日の東日本大震災とそれに続く福島第1原発事故により、
福島での農業を諦め、
現在は京都造形芸術大学の教授の職にいます。
秋山豊寛さん(日本最初の宇宙飛行士兼ジャーナリスト)の証言



秋山さんは折に触れて
原子力発電所や放射能に関する意見を
原発難民の立場から近時披露していますが、
8月3日付の「Japan Times」に
彼の長文のインタビュー記事が掲載されました。

http://www.japantimes.co.jp/life/2013/08/03/people/cautionary-tales-from-one-not-afraid-to-risk-all/#.Ugov6RGCjIV

その中でも福島第1原発事故、脱原発運動、マスメディアへの考えについては、
元TBSの職員という立場で、
日本のマスメディアを信じることへの国民への警鐘記事となっています。
これらの発言は、日本のマスメディアでは、
絶対に取り上げてもらえないだろうという内容が盛り込まれています。

秋山さんは、震災直後、福島第1原発事故の情報が錯綜する中、
知人等の直接情報だけに依拠し、とても素早い行動を取りました。
メディアで流される情報を漫然と待つのでなく
「直接的に情報を取り、付和雷同することなく、自ら考え、
機が熟したなら素早く行動する。」と、
元TBS記者であるからこそ、
メディアからの情報を鵜呑みにせず行動したのです。
秋山さんの東日本大震災後のサバイバル・メソッドの内容は、
今の私たちのサバイバル・メソッドになるように思われます。

また、別の個所のインタビューでは、
この安全と危険に絡めて原発ムラに対する痛烈な皮肉も語られています。
世の中には絶対安全というものなどエンジニア的には無いのであり、
「原子力発電所は絶対安全であると言っていたこと自体が、非安全である証拠といえる。」と述べています。

原子力発電所の安全神話と言う命題こそが、
エンジニア的にも弱さを見ていないということの証明だったわけで、
この見ない(いや見たくない)弱さを直視せざるを得なくなったのが、
今回の福島第1原発事故の現実なのです。

折しも、インタビュー記事中にあるように、
福島第1原発の高濃度の放射性物質に汚染された汚染水問題は、
日本のマスメディアは報道を相変わらず押さえています。
しかし、実態は、今や国際問題であり、
一刻も早く汚染水の海への流出を止めないと
日本が今までに築き上げてきた国際的信用が雲散霧消してしまうばかりでなく
日本人の生活、健康が音を立てて崩れるのも遠い未来のことではありません。
今私たち一人一人が、自ら考え行動しなければ、
取り返しのつかないことになってしまいます。

秋山さんは、日本のマスメディアは原発問題を
(地震が起こるか起こらないかの)運任せの問題として捉えている
という発言をしています。

秋山さんは、自らが批判する大手のマスメディアにいた人であり、
マスメディアの裏の裏も知り尽くしている人でもあります。
こういう人から、
今、日本が国の威信の上からも、最優先で取り組まなければならない
「原発問題」という政治問題に対して、
国民への影響力が計り知れないマスメディアが、
「運任せ」と考え、
国民を引っ張ろうとしているという実態を証言されるということは、
とても恐ろしい現実です。。

矢沢永吉さんが言うように
「原発問題で誰もケツを拭かない国に将来があると思いますか」
という問いかけ同様、
責任を取らないという無責任さは、政府、メディアのみならず、私たち国民の中にも蔓延しているのではないでしょうか。
今は、私たち一人一人が、メディアに依存せず、現実を見つめ、意識を高め、その想いを伝え動き出さなければならない時なのだと思います。

以下そのインタビューのうち、一部の抜出したものを訳したものです。

<何物も恐れることのない者からの警告(秋山豊寛氏インタビュー)>

(前略)

Q:それから、2011年の地震が来て、
福島第1原発がメルトダウンした時のことですが、
秋山さんの日記を読んで驚いたことは、
秋山さんが、そのアクシデントに素早く反応したということです。
秋山さんは、知人から電話で集めたいくつかの情報に基づいて、
地震の翌日には福島の自宅を離れたわけです。
いつ政府が、情報を隠しているということがわかったんですか?

秋山氏:簡単なことですよ。
私は、(ジャーナリストとして)1986年のチェルノブイリの事故の5年後に
その件のレポートをしていますし、
(1979年の)スリーマイル島の事故の時もレポートをしています。
だから、米国政府、ロシア政府が何を行ったか良く知っていました。
私は、過去日本政府が原子力関係の事故が起きた時に
どのようにそれを扱ったかを本で読んでいました。
緊急事態が起きた時、当局は法と秩序を維持することに腐心します。
その秩序とは何でしょうか?
秩序とは、その時の統治システムを守ることを意味します。
3月11日の時点で日本政府の中心は、2人の弁護士でした。
すなわち官房長官の枝野幸男氏と副官房長官の仙谷由人氏です。
そして内閣総理大臣の菅直人氏はエンジニアの素養がありました。
弁護士は、何をしたでしょうか?
彼らはまさにその秩序中で出来る範囲の可能性を探求したわけです。
彼らにとって秩序を維持するとは、どういうことだったのでしょうか? 
それは、原子力ムラを生存させ続けると言う意味での秩序だったわけです。
さらにマスメディアにおいては、その状況において、
政府の主張に従う以外、選択肢はありませんでした。
これは日本のメディアに限ったことではないのです。
2001年9月11日のテロリストによる攻撃の後、
米国のメディアに何が起こったかを見ると良いでしょう。
(1982年の英国とアルゼンチンとの間で発生した)フォークランド紛争においては、
BBCは、何とかかろうじてアルゼンチンを称するのに
「敵国」という言葉を使用することを避けるようにしました。
私は本能的に政府当局が守ろうとするものを知っています。
だから私は政府を信用しないのです。
当時私にとって最大の情報は、
米国のオバマ大統領が在日米国人に対して、
福島第1原発から半径80キロメートル以上の遠くに
避難することを命じたことでした。
それ以外に信用できる情報はありませんでした。
日本政府は、嘘をつく方向にありました。
私は3月16日までは福島第1原発から60キロ離れた郡山市に滞在しました。

それは(静岡県の)浜岡原発で何が起こるか不確定だという理由からでした。
もし浜岡原発で、地震により何かが起こったならば、
東京から北を目指して人々の大脱出が起こり、
交通がマヒ状態になるだろうと考えました。
浜岡原発の停止後、私は、
福島第1原発から200キロメートル離れた群馬県に移動しました。

Q:秋山さんは、浜岡原発が、別の地震によって、
問題を生ずると考えたわけですね。

秋山氏:そうです。
私は浜岡原発は、本当に何かが起こると思っていました。
福島では強い余震が毎日起こっていましたので、そう思いました。

Q:3・11後の日本における脱原発運動及び現在までのところその運動では、
日本政府の原子力発電政策に何らの変更が無いという点において、
運動は失敗ではないのかと言えるわけですが、
この点についてどう思われますか?

秋山氏:(今私が住んでいる)京都において、
7月21日の参議院議員選挙において喜ばしい結果になったわけです。
脱原発を主張する日本共産党が、議席を獲得したわけです。
私は日本共産党は特に好きではありませんし、
私は共産主義者でもありません。
どちらかと言えば、私は赤と言うより黒でしょう(笑)。
しかしながら、
参議院の京都選挙区に立候補した候補者の全員の選挙公約を読みましたが、
日本共産党の候補者を除いて、
誰も原子力発電所の再稼働に明確に反対していませんでした。
よって、脱原発の声が、
選挙結果として明確に有権者から意思表示されたわけなんです。
しかしマスメディアは、有権者に情報を提供していません。
彼らは、原子力問題をほとんど、運任せだと扱っています。

東京電力は、参議院議員選挙の後、
福島第1原発からの汚染水が地下水に流れ込み、
海に流れ込んでいることを発表しました。
しかし、その情報は、すでに知っていたわけであり、
これは(情報を隠したと言う点で)、メディアコントロールではないのでしょうか?
だから今、私の最大のテーマは、
日本の原発の再稼働を止めることなんです。

Q:首相官邸前や各地で行われている大規模なデモや
福島の事故により多くの人々の生活が失われたり、
損害を被っているにもかかわらず、
原発は、将来的にも止まらないであろうと言う事実に対しては、どう思いますか?

秋山氏:私は自信をもって言えますが、
原発は、最後には止まると思いますよ。
私はそれは100年戦争だと思っています。
その結果を作るためには、一般市民が脱原発の意思を発し続けることが必要です。
回り道のように思われますが、それが唯一の方法なのです。
私は多くの人々が脱原発を諦めていないこと、
そして彼らが参議院議員選挙で東京選挙区では山本太郎氏に投票したことに対して
感銘を受けました。
60万人以上の人々が彼に投票したわけであり、
彼の支持者の大部分は若者であるわけです。

年をとった人々は、自分の(人生の)蓄積を守ることを考えます。
彼らの大部分は秩序を維持しようとする側によって洗脳を受けています。
そして多くの人々が付和雷同型です。
その意味で、私には教育の場があるわけであり、
学生を教える意義を見出しました。
今日学生の大部分は、新聞は読まないし、テレビも見ません。
新聞やテレビは洗脳用の道具です。
彼らの大部分はインターネットでニュースをチェックするか、
あるいはまったく何もしていません。

Q:社会のニュースに興味を持たない学生に対して、何か希望があるんですか?

秋山氏:マスメディアの影響を受けていない学生に対して、
ゼロから教えると言うことに希望を見出しています。
それは自分自身の顔に唾するように聞こえるかもしれません。
何しろ私は、マスメディアの世界に30年間いたわけですから。
しかしながら、
私たち(国民)がマスメディアの考えを自分の考えだとすることは、
恐ろしい行為であると思います。
マスメディアは、市民(国民)自身が自ら考えようとする力を奪ってしまいます。
そして市民(国民)をして、
マスメディアの考え方にあった行動をさせようとするのです。

(後略)

http://www.japantimes.co.jp/life/2013/08/03/people/cautionary-tales-from-one-not-afraid-to-risk-all/#.Ugov6RGCjIV

「町田市の放射線量等測定する有志の会 ブログ」より引用・加筆させていただきました。



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フリースクール、ドリーム・フィールドのスタッフです~  得意なことは天然トークと忘れ物です(笑)  キーボードとコーラス、フルートも吹きます。  オーボエを吹いた時代もあるなあ~  浜松学芸高校を中退してスクールで働き始めて5年目、通信高校の?年生だよ!  よろしくね!
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